中期経営計画「Shape the Future - 2025」

大阪ソーダグループは、創立120周年を迎える2035年度の「ありたい姿」の実現に向けて、「サステナブルな社会の実現」、「グローバル競争力の追求」、「社員とともに成長する企業」の3つにフォーカスした経営を推進し、一層の企業価値の向上と競争力の強化を図っています。
中期経営計画「Shape the Future - 2025」(2023~2025年度)では、2035年度の「ありたい姿」を見据え、その通過点である2025年度の「あるべき姿」の実現に向け、「既存事業の継続的基盤強化」「新製品創出力の強化」「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針の下に戦略を実行しています。

基盤強化に向けた積極投資

大阪ソーダは、既存事業が安定したキャッシュを創出し、成長分野に積極的に投資することにより事業基盤の拡充を図っています。主要3事業部門の方針に沿って、中期経営期間中の3か年で総額250億円の投資を計画、さらにこれに加えて200億円の投融資枠を設定しています。基礎化学品では、設備管理強化と生産効率化を踏まえた更新維持投資、機能化学品では、今後の安定的な市場成長が見込まれるアリルエーテル類の製造能力増強などを計画しています。

ヘルスケア事業への積極的な投資

 

事業規模の拡大を狙うヘルスケア事業では、中期経営計画の3か年において約80憶円の戦略投資を計画しています。近年需要が急拡大する医薬品精製用シリカゲルについては、松山工場および尼崎工場での製造設備の増設、医薬品原薬・中間体については、次期増設および高薬理活性医薬品の量産設備、バイオ医薬品分野への進出に向けた投資を予定しています。これにより、ヘルスケアは2030年に事業規模を2022年度の2倍に拡大させることを目指しています。

新製品の育成と体制整備

大阪ソーダでは、2035年のありたい姿として「環境・エネルギー」「モビリティ」「情報・通信」「健康・ヘルスケア」の4つの注力領域で、第4、第5の収益の柱を立ち上げることを目指しています。現在、開発スピードを向上させ、新製品を継続的に上市できる体制の構築を進めており、その一環として2024年3月に電池研究棟を新設しました。また、7つのコア技術を基に当社の独創的な技術力を発揮できる開発テーマを選定し、前中期経営計画で創出された有望な開発テーマの早期事業化を推進するとともに、新たな開発テーマの育成に取り組んでいます。

開発スピード向上の取り組み

 

大阪ソーダは、マーケットイン型開発をより一層推進し、次世代の柱となる製品の育成を目指しています。開発のスピードアップに向けて、開発テーマの進捗管理、柔軟な人的リソースの配分、人材育成、開発インフラの整備、アライアンス・出資などの外部リソースの活用を進めています。

また、当社技術を活かした開発テーマの探索や立案を行う開発企画グループと、各事業部と連携して顧客開拓やビジネスモデルの検証を行う開発営業グループが協働で市場ニーズに即した新製品の開発から事業化までを一元的に推進しています。

 

持続的成長に向けて

大阪ソーダグループは、「事業活動を通じて持続可能な社会の実現への貢献と自らの企業価値の向上を両立させる」というサステナビリティの基本方針のもと、各施策の推進と開示情報の充足によりステークホルダーとの対話を深め、企業価値の一層の向上に取り組んでいます。サステナビリティ委員会が中心となり、GHG排出量の削減、環境負荷低減策の推進、女性活躍推進や人材教育などの人的資本への投資といった各種施策を進めています。

事業・製品を通じた環境への貢献

 

大阪ソーダグループは、独創的な技術を駆使して多くの製品を生み出してきました。基礎化学品では、水処理薬品や肥料、農薬原料、殺菌・除菌剤に活用されるクロール・アルカリ製品を通じて、皆さんの安心で衛生的な生活環境づくりに貢献しています。機能化学品では、省エネで環境にやさしいUVインキに使用されるダップ樹脂、自動車の蒸散ガスの提言に貢献するエピクロルヒドリンゴム、省エネタイヤ用改質剤など、環境負荷の低減に寄与する製品が多くあります。ヘルスケアでは、糖尿病や肥満症治療薬の精製工程で使用されるシリカゲルや、医薬品の開発製造受託事業を通じて、医薬品業界への貢献を果たしています。