創立110年の化学会社

大阪ソーダは1915年、独自の食塩電解技術の確立を機に創立し、かせいソーダや塩素に代表される汎用化学品の製造をスタート、現在まで基礎化学品の事業を発展させてきました。
1960年代には、石油化学分野へ進出。そこから合成樹脂、合成ゴム分野に展開し、特殊な性能を持つ機能化学品の数々を基礎化学品と並ぶ事業の柱として確立しました。さらに1990年代からは、ヘルスケア事業へと業容を拡大しています。
現在、大阪ソーダグループは、2023年度からスタートした3か年の中期経営計画「Shape the Future - 2025」を推進中。経営ビジョンに掲げる「化学を通じて社会が求める新たな価値を提供する企業グループ」を目指し、革新と挑戦を続けています。

化学は産業全体のイノベーションを支える重要なマテリアル

 

私たちを取り巻くほとんどの製品には、”化学品”が使用されており、日常生活はもちろん、各産業にとっても不可欠な存在です。たとえば、水の浄化、食料の安定供給、情報社会の発展、医療の進歩だけでなく、再生エネルギーの利用、省エネルギー・省資源化といった環境問題の解決にも役立っています。

ガスや液体といった化学素材から最終製品までを含めた日本の化学品の出荷額は、製造業のなかでは自動車の次に多く、近年では50兆円を超え、世界4位となっています。このように化学産業は時代の変化に応じてますます成長し続けています。
大阪ソーダは、かせいソーダ、塩素、水素といった汎用の化学品から、特殊な樹脂や合成ゴム、塗料、電子部品、農薬、医薬品などの原料まで、幅広い製品を製造する化学メーカーです。市場の成長性を追い風にして、化学の可能性をを追求しています。

基礎化学品

大阪ソーダの基礎化学品は、創立以来の主力製品である、かせいソーダや塩素などのクロール・アルカリ製品群と、当社の機能化学品の原料にもなっているアリルクロライド(AC)、エピクロルヒドリン(EP)などで構成する事業です。基礎化学品は、製品として幅広い産業に向けて販売されるだけでなく、大阪ソーダグループの多くの製品で原料として使用されます。特に特殊な性能をもつ当社の合成樹脂や合成ゴムの主原料であるアリルクロライドとエピクロルヒドリンは、大阪ソーダの差別化戦略の中核を担っており、経営基盤を支える付加価値チェーンの源となっています。

驚くほど身近な存在!

「かせいソーダ」のお話

 

世の中にある、さまざまな化学物質のうち、かせいソーダ(水酸化ナトリウム)ほど、身近な存在はありません。当社の創業事業でもある、かせいソーダは、食塩水を電気分解する、いわゆる”電解”という典型的な化学反応から生み出される化学品なのですが、皆さんは理科の実験などで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

かせいソーダは、その用途がとても幅広く、たとえば、紙・パルプや繊維の漂白、上下水道の消毒殺菌、プラスチック、アルミニウム、肥料、洗剤、医薬品、食品の製造、金属の表面処理、酸・アルカリの中和、消臭・除菌、プリント配線基板・リードフレームのエッチングプロセス、凝集剤など、あらゆる分野でその役割を果たしています。

機能化学品

大阪ソーダの機能化学品は、基礎化学品を主原料とする高付加価値製品群で構成する事業です。主力は、アリルクロライドやエピクロルヒドリンから生み出される特殊な合成樹脂や合成ゴムなどの素材。それぞれが接着性、耐熱性、耐水性、耐油性、半導電特性など、際立った物性で差別化されている点が特長です。大阪ソーダの機能化学品は、こうした特長を活かし、エレクトロニクスや自動車をはじめとした産業分野で使用され、国内だけでなく世界においてもトップシェアを獲得する製品を数多く輩出しています。

プロピレンからはじまる独自の製品展開

 

原油を蒸留して作られるナフサ(粗製ガソリン)からは、主にエチレン、プロピレン、ブタジエンという3つの分解物が作られます。電解メーカーの進む道は、どの分解物と塩素を反応させるかで大きく分かれます。
多くの電解メーカーは、汎用プラスチックである塩化ビニルを製造する目的で、エチレンを塩素化する道を選びました。実に塩素の約40%が塩化ビニルの製造に使用されるほど大きな市場であるため、規模と価格が競争を勝ち抜くための決め手となります。
一方、大阪ソーダが選択したのはプロピレン。塩素との反応により生まれたアリルクロライドとエピクロルヒドリンから作り出される製品は、さまざまな機能性を持っています。製品ひとつひとつの市場は塩化ビニルと比較して小規模ですが、際立った物質の特性が決め手となり、高い参入障壁を築くことを可能にしています。
このため、大阪ソーダ製品の多くは、世界的に高いシェアを獲得しています。大阪ソーダが選んだのは、グローバルニッチトップ戦略。これからも”独創的なモノづくり”で、新たな製品を生み出していきます。

ヘルスケア

大阪ソーダのヘルスケア事業は、主に医薬品の製造工程で使用される特殊なシリカゲルや、食品・環境測定などに使用される分析機器などを含めたクロマト事業、そして、医薬品の原料などを受託製造するグループ企業のサンヨーファイン株式会社で構成する事業です。研究開発から製造に至るそれぞれのシーンで医薬品業界をサポートしており、ニッチな分野で国内外でトップシェアの地位を確立しています。当社グループ第3の事業の柱として積極的な設備投資と事業領域の拡充により、飛躍的な成長を図っています。

シリカゲルの意外な用途とは?

 

大阪ソーダのシリカゲルは、主に医薬品の製造工程で使用されています。皆さんがよく目にする乾燥剤のように空気中の水分を吸着するのではなく、複数の成分が混ざり合った液中から不純物などを吸着させて成分ごとに分離するために用いられます。この用途に使用されるシリカゲルは、50ミクロン以下の超微粒子で、その表面には無数の穴が開けられています。分離対象物質に応じて粒子や穴のサイズ、化学的な表面修飾(コーティングのようなもの)の組み合わせにより300種類を超えるグレードをラインナップしており、お客様のあらゆる要望にお応えしています。