有機合成とポリマー合成を軸とした基盤技術に電気化学技術を融合させ、ゲル電解質やLiB正極用水系バインダなどのEV・電池関連素材の開発に注力しています。また、VOCフリーで環境にやさしいUV硬化素材の開発や、有用資源の回収再生などにも取り組んでいます。

レアメタル回収技術(金属吸着技術の応用) 新規アリルエステルモノマー デュアルサイト型シランカップリング剤 電解質用ポリマー(全固体・ゲル) 水系バインダ

蓄電デバイス用水系バインダ

  水系バインダ
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  水系バインダ

ポリマー設計・重合技術および高分子固体電解質技術を応用し、新たに蓄電デバイス用水系バインダを開発しました。このバインダは有機溶媒を含まないため環境負荷が少なく、電極ペーストの安定性に優れ、少量で高い結着性を発現します。さらに、低抵抗、長寿命、高耐電圧など電池性能の向上を可能にします。当社では、お客様のデバイス設計に合わせて高結着や低抵抗などの性能を特化させたカスタマイズ対応も可能です。

当社開発品とPVDFとの性能比較

   結着性

  内部抵抗

全固体ポリマー電解質

  電解質フィルム(厚み50㎛)<br/><br/>
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  電解質フィルム(厚み50㎛)

リチウムイオン二次電池において、厚さ数十ミクロンの全固体ポリマー電解質フィルム(SPE)を用いるとセパレータが不要となるため、部材の低減化、さらにはセル積層化が可能となります。また、ポリマー電解質は、電解液が苦手とする硫黄系や有機系の正極活物質、さらには金属リチウム負極等に対して安定であるため、電池の高エネルギー密度化を図ることが可能です。これは、エネルギー・環境の両面からみなさまの生活を支える新技術であり、当社が注力している開発テーマの一つです。

ポリマーゲル電解質

  ゲル電解質(3%ポリマー)<br/><br/>
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  ゲル電解質(3%ポリマー)

ポリマーゲル電解質は、リチウムイオン二次電池の安全性の向上や大型化に有効な材料として期待されています。リチウムイオン二次電池に用いられる電解液に、当社開発のゲル電解質用ポリマーを3wt%添加するだけで電解質をゲル化することが可能です。リチウムイオン二次電池のみならず、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタの電解液との親和性がよく、保液性、弾力性に富むゲル電解質の製造を可能にします。

デュアルサイト型シランカップリング剤

  ジルコニア分散液(拡大図)<br/><br/>
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  ジルコニア分散液(拡大図)

当社が製造販売しているジアリルフタレート樹脂を用い、デュアルサイト型シランカップリング剤を開発しました。微粒子の表面を修飾することで有機溶媒やポリマー中で優れた分散性を付与できます。また、酸化チタンや酸化ジルコニウムを用いることで任意の高屈折率を設定することが可能となります。キャノピー構造により、デュアルサイト型シランカップリング剤同士の反応が抑制されるため、粒子凝集が起こりにくいのも特徴の一つです。(元大阪市立工業研究所電子材料研究部 松川公洋主幹との共同研究)

ビーズミルによるナノ粒子の表面修飾

          コーティング膜
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          コーティング膜

ZrO2の添加量と屈折率の変化(樹脂:PS、PMMA)

新規アリルエステルモノマー

  当社開発品
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  当社開発品

当社は、フタル酸骨格を含有しないアリルエステルモノマーの開発により、硬化時間の短縮を実現しました。100℃硬化条件下において、当社従来品(ダップモノマー)に対し、硬化速度を20%向上させることが可能です。また、不飽和ポリエステル架橋剤の臭気を抑制することから、絶縁ワニス、CIPPなどの不飽和ポリエステル架橋剤、乾式不飽和ポリエステル材料、ポリ塩化ビニルの反応性可塑剤への応用が期待されています。

ワニス物性

100℃硬化性 sup{※1}

揮発性 sup{※2}

ダップモノマー

スチレン

当社開発品

※1:不飽和ポリエステルと開始剤存在下での硬化時間を相対比較。

※2:100℃加熱後の揮発量を相対比較。

 

当社開発品の特長

 ・ダップモノマーに比べ100℃での硬化性が向上

 ・スチレンより揮発量が低減され、物性のバランスに優れる

レアメタル回収再生

  資源リサイクル設備<br/><br/>
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  資源リサイクル設備

当社グループは蛍光管からレアアースやレアメタル、水銀などを回収する技術を完成させ、資源リサイクル事業を展開しています。現在、資源の有効利用を促進するため、この技術を応用した新たなレアメタル回収技術の開発に注力しています。