有機合成およびポリマー合成技術に、新たに無機合成・ナノ技術を取り入れ、高機能性素材への展開を図っています。また、当社製品が持つ特殊な電気特性・機械特性を活かした透明フィルムや樹脂添加剤の開発を進めており、電子部品、パワー半導体、ディスプレイの進歩に貢献しています。

 

ABS向け帯電防止材料 静電制御エラストマー 銀ナノ粒子(低温焼結技術) 高導電性カーボンナノチューブ

高導電性カーボンナノチューブ

  カーボンナノチューブ(TEM画像)<br/><br/><br/><br/>
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  カーボンナノチューブ(TEM画像)



航空機や衛星、自動車などの燃費向上やデバイス類の高性能化にともない、金属の代替となる軽量で高強度な導電材が求められています。

カーボンナノチューブは、炭素原子だけで構成される直径がナノサイズの筒状物質で、銅とほぼ同じ導電性を持ちながらアルミの約半分の比重を併せ持ちます。高純度水素を使用した高導電性カーボンナノチューブの合成技術を有する大学発ベンチャー企業の名城ナノカーボンとの共同開発に取り組んでいます。当社の生産技術を用い、導電性が圧倒的に高い単層カーボンナノチューブの量産化と、独自の分散技術を応用した新規素材の開発を進めています。

導電特性

 炭素系導電材料との比較

単層カーボンナノチューブの比較

銀ナノ粒子

  銀ナノ粒子<br/><br/><br/><br/>
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  銀ナノ粒子



次世代パワー半導体には、従来にはない新しい接合材料が求められています。当社の銀ナノ粒子は、保護層や粒度分布の最適化により、低温(200℃以下)、短時間(30分程度)の条件において高い焼結性能を示し、その焼結体は低収縮であり、高導電性、高ダイシェア強度、高熱伝導性を示します。

また、焼結性のないミクロサイズの銀粒子と混合した場合でも、十分な焼結性能が得られ、焼結助剤として活用することができます。こうした特性を活かし、ダイボンド材、高放熱シンタリング材、微細配線形成、車載用半導体接合材などへの展開が期待されています。

低温焼結試験(175℃、30分、無加圧条件)

 焼結後の表面状態

無加圧条件下の半導体素子とDBC基板の接合

 高い焼結性により以下の特性を示します。

 ・導電性(<4μΩ・cm)

 ・熱伝導性(>200W/m・k)

 ・ダイシェア強度(>70MPa)

”低環境依存性” 静電制御エラストマー

導電性、透明性、ゴム弾性、耐熱性を兼ね備えたノンハロゲンポリマーを開発しました。ポリマーに疎水ユニット導入することで、導電性・吸水性のバランスに優れた低環境依存性を実現。導電性、透明性、ゴム弾性を活かし、ディスプレイ用接着剤や帯電防止塗料などの用途への応用が期待できます。また、重合技術を用いゴム弾性等、お客様のご要望に応じたポリマー設計が可能です。

 帯電防止剤有効成分 : 70%

 種々のABS樹脂と混練および射出成形が可能

  条件 当社開発品 既存品
透過率(%) 380~780nm
膜厚:100μm
≧90
ヘイズ(%) ≦6.0
飽和吸水率(%) 23℃-50%RH 1.13 2.42
35℃-85%RH 4.56 23.9
表面抵抗値(Ω/sq.) 23℃-50%RH 8.8×10sup{9} 1.8×10sup{10}
35℃-85%RH 2.7×10sup{8} 6.8×10sup{6}

 

ABS向け帯電防止材料

  ABS向けマスターバッチ<br/>  (練込型ペレット)
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  ABS向けマスターバッチ
  (練込型ペレット)

低抵抗・低吸水率 のバランスに加え、衝撃性低下を抑えたABS向けマスターバッチ(練込型ペレット)を開発しました。ABS樹脂との混合分散性に優れ、電子機器、自動車、家電用途への応用が期待できます。また、耐熱性に優れ、着色や樹脂劣化などの影響はほとんどありません。

 

帯電防止効果と衝撃特性(当社比較)

無添加

(コントロール)

当社開発品

既存品

帯電防止成分量(wt%)

10

10

表面抵抗値(Ω/sq.)

>10sup{16}

10sup{13}

10sup{11}

シャルピー衝撃(kl/㎡)

25

24

12